歯科治療恐怖症を条件付けから説明する
レスポンデント条件付け
歯科治療恐怖症は、随伴性形成行動による制御形式により理解される。
たとえば、歯の切削という無条件刺激(生得的な反応を引き起こす刺激)は、治療に伴うある程度の疼痛などの不快な体験より不安や恐怖反応という無条件反応を引き起こす。
一方、本来中性刺激であるはずのタービンの音などの刺激がこれに対提示されることにより無条件刺激の機能を獲得し、条件性情動反応として不安や恐怖反応を引き起こすように変化する。
つまりここにタービンの音→不安、恐怖というレスポンデント条件づけが成立する。ここではタービンの音を取り上げたが、白衣、薬の臭いなどでも同じことである。
オペラント条件付け
このような場合、治療を受けないことによって得られる安堵感は不安を軽減させ、治療への回避行動を強化させるようなオペラント条件づけが同時に成立していることがある。
このような回避行動が継続している限り、治療の必要性と治療を回避したいという欲求のアンビバレントな状況の中、不安、恐怖反応は増強され症状は慢性化していく。